統計論ラボ PhiMAS(Philosophy, Mathemathics, Applications of Statistics)は統計の哲学、数理、応用を統合的に研究するために設立された研究機関です。

OUR SCOPE

私たちは「統計学の基礎」を応用数学の一分野とみるのではなく、哲学・数理・応用が交錯する学際領域として研究することを目的としています。この視点から「統計学における哲学的課題」「現代統計学の数理」「現場でのデータ解析の実践」を総合することで、データサイエンスの新たな枠組みを創出し、統計教育および産業に貢献することをめざします。

MESSAGE

PhiMAS所長 伊庭幸人

実学としての統計学では、便利な公式やソフトウェアの利用法が強調される反面、全体像への反省が不足しがちです。これを補うものとして、哲学の研究者の寄与が期待されていますが、現状では分析の対象となる統計手法が単純な検定やベイズ推論など古典的なものに留まっている点で限界があります。統計論ラボ PhiMASは、数理的方法の開発とデータ解析の実践を行いつつ、新たな哲学的問題を創出・同定する拠点となることをめざします。

PhiMAS副所長 大塚淳

統計学と哲学、というと突飛な印象をもたれる方も多いかもしれません。実証データを扱う統計学に、なぜ哲学?しかし統計学は、単にデータを処理するだけの学問ではありません。我々は統計学を通して世界を眺め、推論し、結論を解釈する。そこには世界とは何か、我々はどうやって未知の対象を知ることができるのか、という哲学的問題が横たわっています。また近年では機械学習の進展により、近代以来の科学的世界観・知識観が揺らぎ始めています。そうした統計学の哲学的含意を探ることも、本ラボの重要なテーマです。