ZEN大学では、2025年7月14日(月)から20日(日)の7日間にわたり、インドネシア・バリ島でフィールドワーク研修を実施しました。
この研修は、バリ島の文化やヒンドゥ教の哲学を体感しながら、リゾートアイランドが抱える「ごみ問題」「貧困」「産科医療」などの課題と向き合い、リジェネラティブ(再生型)な社会構造への変換について学ぶことを目的としています。
壮大な自然と豊かな文化に恵まれたバリ島は、インドネシアにおいて最も人気のある観光地。産業の80%を観光業が占めるリゾートアイランドである一方、社会や環境に負荷をかけるさまざまな課題を抱えています。
参加した学生は、島内の多くのゴミが集積されるゴミ山「Suwung Community」の訪問や、ホテル周辺のゴミ拾いを通して、バリ島が直面している深刻なゴミ問題を目の当たりにしました。また、割り箸の再利用を行う施設「Chop Value」や、無償で医療を提供する「ブミセハット国際助産院」を訪ね、現地で課題解決に取り組むリーダーたちとの対話を通して、自身の価値観やウェルビーイングについて考える時間を持ちました。
ここからは、参加したZEN大学1年生の秋葉美穂さんの感想をご紹介します。
精神的な成長とエコアクションの学びを目指し留学
私が留学を志した理由は、対面でのコミュニケーションスキルを高め、精神的に成長したいという思いからでした。高校(N高等学校)ではオンライン中心の学びだったため、海外で多様な価値観に触れ、日本を客観的に捉える力を養いたいと考えました。仲間と参加することで不安も軽減され、将来に繋がる経験になると感じました。
参加したプログラムは、現地でゴミ拾いをしながら環境問題を学ぶ内容。N高の授業「プロジェクトN」でエコアクションを学んだことをきっかけにゴミ問題に関心を持ち、ランニング中にゴミ拾いをするなど、日常でも実践していたため、すぐに応募しました。日本と同じ島国であるバリ島なら、海洋ごみの問題について新たな視点を得られるのではと期待しました。
文化理解と海洋ごみに関する知識を深められた
現地では、神様へのお供え物「チャナン」を作る体験が印象的でした。最初は子どもの遊びかと誤解していたのですが、真の意味を知ることで文化を尊重した観光の大切さを学びました。伝統衣装を着ることもでき、現地にいる実感が深まりました。一方で、価値観の違いに驚くこともあり、例えば観光客よりも現地の人がゴミを捨てる場面が多く、そこにある文化的背景を理解する必要性を感じました。
また、日本財団の助成により留学費用が抑えられ、自分のアルバイト代で参加できたことに達成感がありました。現地では日本財団の方と議論する機会もあり、海洋ごみに関する知識を深めることができました。
参加を考えている方へのメッセージ
留学を通じて、現地の人々の温かさや幸せそうな姿に触れられました。自分も家族から多くの愛を受けていたことに気づき、今後は与える側になりたいという思いが芽生えました。子どもや共同生活への不安も、現地での体験を通じて達成感を重ねることで克服でき、「その場でしか得られない経験」の価値を実感しました。観光と学びを両立する楽しさを知り、日本でも観光地だけでなく、リサイクルセンターなどの環境保護を学べる場所を訪れ学びながら、その魅力を広めたいと考えています。
留学への参加を迷っている方へ伝えたいのは、年齢や国籍に関係なく、異なる価値観に触れることこそが深い学びに繋がるということです。世代の違いを超えて共感し合える場があるので、参加しないのは本当にもったいないと思います。少しでも興味があるなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。