【学生ブログ】沖縄・伊計島で感じた
“地域のあたたかさ”と、自分の変化

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ZEN大学では2025年9月12日〜17日の6日間、沖縄県うるま市の伊計島で約100年にわたって島の買い物や福祉機能を担っている共同売店のDX化に取り組む地域連携プログラムを実施しました。参加した学生は、伊計自治会、うるま市、一般社団法人プロモーションうるまの協力のもと、課題のリサーチからプランの作成、成果発表に取り組みました。

今回は、プログラムに参加した松本英さんのレポートをご紹介します。 

 



新しい挑戦のきっかけ

「新しいことに挑戦してみたい」と考え、ZEN大学に入学した当初から地域連携プログラムに年に一度は参加しようと決めていました。もともと離島や田舎の暮らしに関心があり、「人と人が支え合う地域で学んでみたい」という気持ちが強くありました。ただ、初めての挑戦には不安も覚えたため、まずは1週間の短期プログラムを選ぶことにしました。

今回参加したのは、沖縄県うるま市の伊計島で実施された、共同売店をDX化する地域連携プログラムです。


売店が担う島の生命線

現地ではまず、伊計島の自治会長・玉城さんをはじめ、島の方々から島の現状や共同売店のお話を伺いました。
島の人口は減少し、高齢化が進んでおり、売店の維持は決して容易ではありません。
しかしこの「伊計島共同売店」は、島にとってかけがえのない存在です。

共同売店は、単なるお店ではなく、

  • 島人同士や観光客との情報交換や交流の場
  • 高齢者を支える福祉的機能
  • 災害時のライフライン

といった重要な役割を果たしています。

一時期は存続すら危ぶまれたこの売店ですが、観光客向けの商品開発や伊計島に拠点を置くN高等学校へのお弁当販売など、工夫を重ねながら島の人たちが力を合わせて運営してきました。
そして、そこでは「人手不足」と「デジタル化の遅れ」が大きな課題として浮かび上がっていました。

「やりたいことはたくさんあるけれど、人も時間も足りない」
そんな現場の声に触れ、私は地域の課題の重さと同時に、「自分たちでできることは自分たちでやろう」と工夫を重ねる島の方々の前向きな姿勢に深く心を打たれました。


チーム活動と提案

学生チームは、「ゆいふぁむいけい(経理)」と「伊計島ディスカバリー(広報)」の2班に分かれて活動しました。

私は「伊計島ディスカバリー」に所属し、SNSを活用した情報発信に挑戦しました。

まず、伊計島の認知度を調べるため、チームメンバーのInstagramでアンケートを実施。そして島の魅力を発信する動画や、観光客がSNSに投稿しやすくなるポスターなどを企画しました。授業で学んだAIツール(ChatGPTやGamma)を使ってアイデア整理やスライド制作を行い、学びを現場で活かす実感を得ることができました。


得意を活かし、苦手に挑戦して自信に繋がった経験

発表スライド作成は私の得意分野でした。説明の流れを考え、理解しやすいように図を工夫し、説得力を高めるためにデータを数値化して示すようにチームに提案しました。

私が提案したアンケート企画は、メンバーの「じゃあインスタのストーリーでやってみよう!」というアイデアからさらに発展。協力しながら形にする過程で、チームで考えることの面白さと、仲間の発想の力を改めて感じました。

人前での発表は得意ではありませんでしたが、最終発表をやり切ったことで「思ったより伝えられるんだ」と感じ、自分の中に小さな自信が芽生えました。

また、チーム分けはしていたものの、「ゆいふぁむいけい」チームのバーコード撮影を手伝ったり、食事づくりを協力して行ったりと、チームを超えた交流も生まれました。それぞれが得意を持ち寄り、最後までやり切れたことは、大きな達成感と自信につながりました。

このプログラムを通して出会った人たちは、みんな本当に親切で思いやりにあふれていました。初対面の人と話すのが苦手だった私も、プログラム参加前のオンライン交流会や現地での対話を通して自然と打ち解けることができました。「地域で生きる」という温かい暮らしの中で、自分はこういう環境の方が合っているかもしれないと気付けたことも、大きな収穫です。


次の挑戦へ

この経験を通して、地域課題や人との関わりにより強い関心を持つようになりました。

ZEN大学ではオンラインで学びながら現地で様々なプログラムに取り組めるのが魅力です。今後は「地域課題の解決とイノベーション」という科目を履修し、さらに学びを深めたいと考えています。

また、今回の経験で自信がついたことで、次は1ヵ月の長期プログラムや海外プログラムにも挑戦したいと思うようになりました。以前の自分なら考えられなかった挑戦ですが、今は「また伊計島に帰りたい」「次の地域でも貢献したい」と心から思えます。

一歩踏み出した勇気が、自分をここまで変えてくれました。この経験を支えてくれたZEN大学の仲間、スタッフの方々、プロモーションうるまの皆さん、そして温かく迎えてくださった伊計島の島人の皆さんに、心から感謝しています。

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