こんにちは、ZEN大学一期生のみとです。
私は2025年10月から11月の1ヵ月間、長崎県・波佐見町で行われた、産業や観光をテーマにしたプログラムに参加しました。前半は町の現状を学び、後半は2週間にわたって自身の興味分野について課題解決策を練り、最終的に地域の方々へプレゼンテーションを行うという内容でした。
不安を抱えながら飛び込んだ、波佐見町での1ヵ月
このプログラムに応募した理由は、自分を変えたいと思ったからです。
参加する前の私は自分に自信がなく、人とのコミュニケーションに強い苦手意識がありました。将来やりたいことも見つかっていなかったため、普段の生活ではできない経験をすれば何かが変わるかもしれないという思いで応募を決めました。1ヵ月という長期間、面識のない学生たちとの共同生活を送るにあたり、出発前は期待よりも不安の方が大きかったのを覚えています。
波佐見町では窯業や農業などについて学び、地域活性化や課題解決について考えました。
役場で波佐見町の現状や取り組みについて説明を受け、波佐見焼の製造工場の見学、狩猟ワークショップや解体加工体験などを通してさまざまなことを学びました。絵付けや楽焼(※1)の体験もしました。また、地域の方を招いたBBQや郷土料理勉強会、焼きものの販売を中心としたイベントの手伝いを通じて、地域の方々との交流も深まりました。
※1 ろくろを使わず手づくねで成形し、750℃から1,200℃で焼成された軟質施釉陶器
自然と生きる上で浮き彫りになる課題を肌で実感
活動の中で特に印象に残っているのは、狩猟のワークショップです。猟師の方が捕獲した猪の止め刺し(※2)から解体までを目の当たりにしました。誰かが代わりに行ってくれている「命をいただく」という行為の重みを痛感すると同時に、感謝と畏敬の念が混ざり合った複雑な感情を抱きました。また、猟師の担い手不足や獣害など、活動の難しさについて伺い、さまざまな課題が絡み合っている現実を肌で感じました。
また、地域の畑や棚田を見学する中で、波佐見焼の産業廃棄物である石膏を農業でリサイクルする取り組みや、耕作放棄地と収入面での課題を知り、私は「農業」に強く惹かれました。そこで後半のプロジェクト期間は、他の参加学生とペアを組み、農業をテーマに活動しました。
※2 罠で捕獲した野生鳥獣にとどめを刺すこと
生産者の声を聞きながら農業の魅力を発信
現状を知るには農家の方への取材が欠かせません。ここで私にとって大きな壁となったのが、苦手なコミュニケーションでした。しかし、仲間の力を借りながら勇気を出して飛び込み、交流を重ねる中で、農家の方々の「こだわり」や「やりがい」、「農業への思い」に触れることができました。「農業を魅力的な仕事として知ってもらいたい」と強く思い、私たちは生産者の想いを可視化する「はさみ生産者図鑑」を作成し、提案しました。
農業のマイナス面ではなく、魅力的な部分を発信するというアイデアは、町の方々に好評をいただくことができました。情報を集め、自分で考え、人に伝えるという行動力が身に付き、参加する前の自分より成長できたと感じました。

「人との関わり」が基盤にある町で苦手を克服
この1ヵ月は、多様なバックグラウンドを持つ学生と共同生活を送り、また地域の方々との温かい交流に支えられました。地域イベントのスタッフや、郷土料理・ピザ作り体験などを通じて、都会の生活では希薄になりがちな「人との関わり」が、この町では生活の基盤にあることを強く感じました。コミュニケーションが苦手だった私が、最後には仲間や地域の方々と楽しく話ができるようになっていました。
一つの問題について現地に足を運び、長い時間をかけて考え抜いた経験は、私の学びの姿勢を変えました。まだ将来の夢が決まったわけではありませんが、これからもこの分野に関心を持ち続け、将来的には貢献できるようなアクションを起こしていきたいと考えています。
■関連動画







