2026年3月12日、楽天グループ株式会社(以下Rakuten Group)のAI事業部 戦略室 室長のNagashima Tomohide氏による講座「Rakuten GroupのAI戦略を知るリアルAI活用術」が、在学生を対象にオンラインで開催されました。
ZEN大学では、AIについて学ぶ授業を全員が履修しており、日頃からAIを活用している学生が多く在籍しています。本講座にも、AIと仕事の関わりに関心を持つ学生が多数参加しました。講座では、Rakuten Groupが行っている消費者へのアプローチ戦略や、学生が未来を描くためのAI活用方法を聞くことができ、学生たちが「AI×仕事」の結びつきを学ぶ機会となりました。
本記事では、その講座の様子をレポートします。
日本製AIであるRakuten AI
Rakuten GroupのAIに関する方針は、「AIによって人間の創造性を高めていき、その力を中心に社会全体をより良くしていこう」というものです。
その方針を軸に、消費者の元へAIを届けるまでの戦略について語ったNagashima氏。AIをいきなり消費者に突きつけるのではなく、第1段階としてディープラーニング技術の基盤を構築し、第2段階として技術を元に法人向けのAI展開に着手。その上で、第3段階として「Rakuten AI」というサービスを消費者の元へ届ける、という段階的なアプローチを採ったそうです。
Rakuten AIは、2025年7月時点ではウェブ版のみの提供でしたが、本講座ではリリースされたばかりのアプリ版が披露され、参加した学生らはその場でアプリをダウンロードし、実際に使用しながら話を聞きました。
Rakuten AIの3つの特徴として、①膨大なデータ学習によりAI精度を向上させていること、➁AI開発における強力なパートナー企業が世界中にいること、③楽天独自の日本語LLMを開発・提供していることがあげられました。
LLMとは、簡単にいうと「前後の文脈をもとに、次に入る適切な言葉を確率的に計算する技術」のこと。過去の膨大なデータをもとにどのような文脈が自然かを確率で予想し、その予測をひたすら繰り返すことで文章を生成しています。
Rakuten AI 3.0は約7,000億個のパラメータによって構築されており、同社は「自分たちの手でレベルの高いLLMを作っていることにこだわりを感じている」とのことです。
自分の「好き」を心に持ち続けることが、キャリア形成の一歩
多彩な機能の中で、参加学生が特に高い反応を示したのが「ラーニング」機能。英語、健康、料理など、テーマごとに専門のAIコーチが用意されているもので、目的に合わせた相談が可能です。
例えば「英語コーチ」では、音声入力を用いて英語で電話をするようにAIと会話練習ができたり、「みちびきコーチ」では、キャリアの方向性やモチベーション維持に悩んだ際に活用できるとNagashima氏は語ります。自身の考えや得意分野を入力することで、理想の未来へ近づくアドバイスを得ることができるからです。
こうした機能が搭載された背景には、「これから就職活動を迎える学生に向けてメッセージ性のあるものを取り入れたい」という想いがあったからだといいます。
「人生で大切なのは、自分が目標としていることがあるのなら逆算して動き出すこと」
とNagashima氏。

「私は2016年にFacebookでこのようなポスト(上記画像)を投稿したのですが、今振り返ると結構当たっているなと。当時は教育事業に携わる中で、いつかAIを取り入れたいと思っていましたが、十年経った今、AIそのものに携わる仕事をしています。皆さんも、今すぐに実現できないことだとしても、いつかやりたいな、やっぱり好きだなと思えることを心に持ち続けることで、キャリアに繋がっていくのではないでしょうか」
とアドバイス。さらに、
「そのようにして得られた仕事は、楽しみながら熱中することができます。結果的に高いパフォーマンスに繋がり、良い成果を生みやすくするのだと思います」
と参加学生へメッセージを送りました。これを受け、オンライン上でたくさんの拍手のリアクションが寄せられました。
講座後半では、実際にRakuten AIを使いながらの質疑応答が行われました。「日本語のLLMは英語よりも難しいのか」「一つのIDを使い回す中で、セキュリティはどのように担保されているのか」といった質問が寄せられたほか、「日本製AIならではの魅力を感じた」「目的に応じて使い分けしやすいのが嬉しい」といった感想も飛び交いました。活発な意見交換が続き、予定時間が足りなくなる盛り上がりの中で講座は幕を閉じました。
AIの最前線で活躍する講師から直接語られた視点は、参加した学生らにとって視野を広げる貴重な機会となり、これからの進路を考える上での大きな一歩となりました。
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