【イベントレポート】5名の奨学生が語る実社会での挑戦——2025年度 特待奨学生支援制度 成果発表会

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ZEN大学独自の奨学金制度「特待奨学生支援制度」の1年間の集大成となる成果発表会を、2026年6月26日(金)にリアルと生配信のハイブリッドで開催しました。特待奨学生支援制度は、場所を問わず学べる環境や豊富な可処分時間を活かし、大学での学びを超えて実社会で挑戦する学生を支援するものです。本イベントでは、2025年度の特待奨学生を代表する5名が登壇し、1年間の活動成果を報告しました。

特別ゲストからの講評を含め、当日の様子をご紹介します。

講評者  

  • 笹川順平(公益財団法人日本財団理事長)
  • 若山正人(ZEN大学学長)
  • ハヤカワ五味氏(株式会社なかよし代表取締役)

司会進行  

  • 吉田尚記(アナウンサー)

発表内容

木下源都さん「世代と国境を超えるeSportsについて」 

エンターテイメント会社の代表としてeスポーツの大会運営やコミュニティづくりを行い、個人でも公式大会で入賞するなどプロ選手として成果を上げました。N高グループとの連携による「競技向けサーバー」の設立やスポンサー企業との契約など、事業を精力的に拡大し法人化に至っています。活動を通じて協調性や計画性を身につけたと語り、今後は次世代教育や産官学をつなぐデジタルコンテンツの創出を目指します。

笹川氏からの「学生がeスポーツに参加するにはどうしたら良いか?」という質問には「オンラインなので場所は問わない。ただ、チームに誘われやすくなるためには人脈が大事。自分で配信をするなどして知名度をあげて実力を示せば、チームからの誘いも来ると考えている」と回答。また、「人格も大切。練習に真面目に取り組まなかったり、暴言があるなどするとチームから誘われなくなる」と述べ、単なるゲームスキルだけではなく、日頃からの行動も大切になってくると話しました。

若山学長からの「将棋や囲碁のように、AIを活用してeスポーツの高度化を図ることはあるのか」という問いには「コーチが人を見るのが基本。ゲームだからこそ、人と人が対戦する醍醐味を大切にしたい」と述べ、デジタルの中にある人間らしさこそが、eスポーツの真価であると語りました。

大橋莉央さん「世界の医療を学生の言葉で 医学留学×対話×研究」 

アイルランドのトリニティカレッジ医学部とのダブルスクールで学ぶ大橋さんはオンラインでの登壇となりました。

国際的な医療研究や学生会議の運営に携わるなど、医療と国際性を軸に活動。国際誌に査読付き論文が2報掲載されたほか、AIの発展を自らの研究に取り込む日本財団HUMAIプログラムや海外留学を支援する文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」18期の採択など成果を重ね、将来は医師・研究者・政策立案者として医療政策に貢献することを目指しています。「支援してもらった経験を、学術的に日本社会へ還元したい」と語りました。

質疑応答では、包括的な医療の支援制度に関心があるとした上で、日本の医療の現状については医療情報とマイナンバーとの連携に注目していると述べました。笹川氏は「幅広い好奇心を単なる好奇心で終わらせず、実現に向けて前進している。自分の可能性を閉じ込めてしまうのも、広げるのも自分であり、そこに年齢は関係ないと気付かされた」と高く評価しました。 

井村和花さん「ゲーム制作やその他創作活動について」 

散歩をテーマにした短編のインディーズゲームを制作し、初めての作品ながら300ダウンロードを達成。演劇にも出演し、表現の幅を広げながら2作目のゲーム制作を進めています。奨学金は制作に必要なツールの購入に充て、自由な学修環境を活かした創作活動を続けています。

ハヤカワ氏は「表現物を出して評価されるのは勇気がいること。果敢に作品を世に出す姿勢を尊敬する」と、創作に向き合う姿勢を称賛しました。 若山学長からは、制作したゲームをコンテストに出してみてはどうかとのアドバイスがあり、さらなる挑戦が期待されます。

福田カポノ瑳介さん「世界で戦い、次世代へ繋ぐ」 

SUPサーフィン日本代表選考会を突破し、世界選手権で日本人過去最高の3位入賞。ウィングフォイルというマリンスポーツでも全日本選手権優勝を果たし、世界大会への出場権を獲得するなど、世界を舞台に活躍しています。競技と並行して子ども向け体験会や若い選手の育成プログラムも実施するなど、競技人口の拡大にも尽力しています。 

ウイングフォイルは2032年ブリスベン五輪での正式種目化が期待されており、「金メダルしか見ていない」と出場への意欲を見せた福田さん。

笹川氏は「結果を出すだけでなく、次世代へ繋ぐというミッションを掲げ、競技スポーツ業界の課題も背負っている」とその姿勢を高く評価しました。ハヤカワ氏から調子が悪いときの気持ちの整え方について問われると、「1つの競技に絞ってしまうと、スランプに陥ったときに競技を嫌いになってしまう。海を大好きでいるために、色んなスポーツをすることで気持ちを切り替えられるし、トレーニングにもなる」とコツを語りました。

秋穂正斗さん「1000倍高速なAIモデルの社会実装に向けて」 

AIに関する技術として微分可能論理ゲートAIの研究を進め、新しい学習アルゴリズム「AP法」を発見。既存のニューラルネットワークと同等性能で数百倍高速なAIモデルの開発を目指し、2026年度未踏IT人材発掘・育成事業への採択やスタートアップ企業の設立など活動が加速しています。今後は国産LLMや次世代AIモデルの研究開発を進め、資金調達と事業拡大に挑みます。

吉田氏や若山学長からは「忙しすぎないか」と心配の声もありましたが、秋穂さんは「ほかの大学だったら絶対にできないようなことをさせてもらっている。奨学金をクラウドGPUの利用料金に充てられることや、いつでもどこでも学べる環境が研究を支えている」と語り、制度の利点を最大限に活用して活躍をしています。

ハヤカワ氏は「国産LLMがなぜ重要かというと、米Anthropic社の『Claude Fable 5』が米国政府からの指令で使えなくなったということがあった。日本で海外の有力なLLMが使えなくなる政治的リスクが存在している」と指摘し、国産LLMの開発に期待を寄せました。

総評

笹川氏は「期待値をはるかに上回る成果で、それぞれが自分の可能性を引き出している姿に感銘を受けた。ほかのZEN大学生にとっても誇りになるので、自分なりの成功を追求してほしい」と激励。

ハヤカワ氏は「分野は違えど共通しているのは圧倒的な推進力。AI時代にこそ人間の内発的モチベーションが重要。特待奨学生の活躍がほかの学生の刺激にもなっている」と述べました。

若山学長は「学長として誇らしい。幅広い挑戦が高みを生み、深さにもつながる。しなやかに活動を続けてほしい」と語りました。

レベルの高い成果報告に、学校法人日本財団ドワンゴ学園の山中伸一理事長も閉式の挨拶で「ZEN大学を創って良かったとしみじみと感じた。第2回目の発表会が本当に楽しみ」と期待を寄せました。

講評を行った笹川氏、ハヤカワ氏、若山学長

挑戦を全力で応援する奨学生制度

5名の奨学生が示した挑戦と成果は、ZEN大学が掲げる「自由な学び」と「社会への接続」を体現するものでした。それぞれの学生の活動の広がりとともに、次年度の奨学生たちが本制度を最大限に活用して新たにどのような挑戦を生み出すのか、ZEN大学生の未来への期待がさらに高まる発表会となりました。


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